地質調査 2006年11月12日(日)
市民の森駐車場より鷲場山方面 低気圧が通り過ぎた後の時雨模様の朝、上田市民の森に集合しました。

講師の山辺先生(元上小理研会長)を含めて3名です。
東御市和西入 東御市和地区西入の牧場へ来ると、雪が降ってきました。

ズボン下を履いてきて、よかった。
木の上に積もった雪 初雪です。
石英安山岩(デイライト) 大富士側の山裾の岩を見ると、ややピンクがかった石英安山岩でした。

大富士から溶岩が流れ出したように、西・南に向かって5本ほどの流れがあり、そこで石英安山岩が出るということです。
和池と大富士 和池と大富士が観光地の絵はがきのような素晴らしい景色でした。
地質調査隊2名 和池(かのういけ)は人工の池で、南側の堤から大富士を見ています。
和池と鷲場東ピーク 和池の西には鷲場東ピークがあり、その麓にも同じような少しピンク色の石英安山岩があります。

ピンク色になっているのは、溶岩として噴出したときに酸化されたからだと思われます。
旧菅平有料道路より烏帽子岳方面を望む 旧菅平有料道路より烏帽子岳方面を望むと、左側に大富士、右側に大室山が見える。
火山灰 市民の森にもどり、鷲場山へ登ると、頂上付近には石英安山岩の火山灰が堆積しています。
鷲場林道 林道沿いに火山灰や安山岩が見られます。
鷲場山のデイサイト 鷲場山のデイサイト(石英安山岩)には、角閃石(かくせんせき)が入っています。

この斑晶の成分は上田盆地一帯を覆っている火山灰の成分と同じで、ここから火砕流ではないかと推測されます。
デイサイトのかけら ここのデイサイトは大富士と比べて、白っぽく、角閃石が入っているのが特徴です。
地質調査隊2名

鷲場山の東南に大きな火口があったのではないかと推測しています。

鷲場東ピーク手前 鷲場東ピークの手前には、うっすらと白く雪が積もっていました。
鷲場東頂上 鷲場東頂上には、烏帽子岳登山道の札があり、これより5.0kmと書かれていました。
鷲場東ピーク北側 鷲場東ピークから烏帽子岳登山道を北へ少し行ってみましたが、樹木に覆われていて大富士をきれいに見る場所はありませんでした。
鷲場西ピーク 鷲場山西側ピークへもどると、そこからは大富士がよく見えました。

大富士の左手前に鷲場東ピークが見えます。
鷲場西側の池 鷲場山を西に下りて、市民の森の反対側に出ると池があります。この窪地も昔の火口ではないかと推測されます。
遊歩道の看板 遊歩道の案内板の向こうに見える小さい尾根が石英安山岩でできていました。

その周辺は輝石安山岩なので、火口の辺りだけが、石英安山岩だと考えられます。
地図 地図を見ると、いくつかの窪地が点在し、同時期の火口跡と考えられます。
リュックにたまった雪 にわかに雪が降り始め、見る間にリュックのへこみにたまりました。
次の窪地へ 稲倉の上部、昔の棚田が使われなくなり、荒れ地となっている所です。
窪地 先ほどの池のある窪地を稲倉の沢から見ると、確かに窪んでいて、昔の火口とも思えます。
稲倉の奥へ この奥の右手の沢に入りましたが、石英安山岩には出会えませんでした。

その小さな窪地は火口ではないのかもしれません。
市民の森の紅葉 市民の森へもどりました。

グランド横のもみじがきれいでした。
もみじ 5時間半の地質調査でしたが、木枯らしで指がかじかむときもありました。

それでも、3人で何万年も前のこの場所の様子に思いをはせながら、歩いたことは、とても有意義でした。

ありがたいひとときでした。
石英安山岩と輝石安山岩 左の2つが石英安山岩。右側が輝石安山岩。

右側の輝石安山岩の方が古いもので、新しい火口から出たと思われる石英安山岩の方が新しいものです。

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